2020.11.21,22 しまなみ海道1泊2日のバイクツーリング、感性もまた過ぎ行くもの

2020年11月21日と22日、連休が取れたので1泊2日でしまなみ海道ツーリングに行ってきました。
以前に行ったのは親と3人の14年前、自分がまだ高校生だった頃です。
あの時はレンタル自転車でしたが、今回は1人のバイクツーリング。

出来れば宿泊場所の予約を取ったりして綿密な計画を立てたかったのですが、出発2,3日前に調べた時は既に予約がぎっしり。
ほとんど何の計画もせずに出発することになりました。
とりあえず、しまなみの島々をバイクで観光してどこかでキャンプする、というのが今回のコンセプト。

徳島から今治までは高速道路で一気に行けるので一気に行き、来島海峡大橋を渡って観光開始。
最初はまだ施設の営業が開始してない時間だったので、展望台になっている亀老山から。
朝8時頃でしたが人は結構多く、観光地としては有名なのでしょう。
展望台なだけあって景色は最高!
日が短い時季の、朝の光は斜めに差し、海峡と橋と島々を照らします。
初っ端に絶景に出会ってしまって、これから先の旅路でもこれ以上のものに出会えるのか、一抹の不安を覚えるほど…

次は小説「村上海賊の娘」で有名になりつつある村上海賊の資料館へ。
海の大名として瀬戸内海を牛耳っていたようですが、ただの略奪者ではなくて難所の水先案内人も務めていたのが意外。
海城というものも知らず、当時でさえノウハウの少ないものを自分たち流にやっていたのでしょうか。

他にもカレイ山展望台にも行きましたが、亀老山に比べると人は少なめ。
これにて大島観光は終わり。
次は伯方島へ。

伯方島は「は!か!た!のしお!」で有名な塩の島。
道の駅にも塩関連の商品が並びます。
造船業も多く、港には巨大なクレーンと機械音。
しまなみの中央付近なだけあって、この辺りから非常に「しまなみ感」があります。
チャリダーもそこかしこにいて、特に道の駅にはたくさん!

個人的に非常に気に入ったのは、「伯方ふるさと歴史公園」
山頂に山城を模した歴史民俗資料館が建っており、最上階からの景色も最高。
建物内も明るく仕上がっており、光と風が通り抜けるこの場所は、自分は大好きです。
島のこじんまりと納まった感じ、それは完成した感じにも思えて、その集大成こそがこういう歴史民俗資料館でもあるように思うわけです。

次は大三島へ。
14年前はこの島の南東端にある廃校を改築した宿に泊まった思い出があり、見に行くことにしました。
道中の海沿いの道は坂道も多くて当時はきつかったと覚えていますが、今回はバイクなので楽ちん。
宿は今でもあり、プライベートビーチのような小さな砂浜も健在。
あの時感じた「しまなみ」はまだ残っているのかと、安心しました。

大三島の中心、大山祇神社にももちろん参詣。
ここらで昼飯を食べようとしましたが、案外閉店した飯屋が多く、しかも客は多いので待ち時間が非常に長くなっていました。
面倒なので出発し、偶然見つけた喫茶店でサイコロステーキ定食を食べる。

愛媛県から広島県へ、生口島へ。
生口島も美しい島で一周したりもしたのですが、耕三寺は時間の関係で飛ばしたので、立ち止まっての観光はせず。
広島県と愛媛県ではしまなみへの捉え方は違うのか?
何だか愛媛県側は観光リゾート地として整備し、広島県側は生活のしやすさに重点を置いている反面リゾート的雰囲気は少ない気がする。

因島も生口島と同様の観光。
でも時間が足りなくなってきて村上水軍の城は行けず…
暗くなる前に野宿地を探さねば!
というわけで1日目は因島の山奥でキャンプしました。
地理院地図で穴場っぽいものを調べて行ったら当たり。
人の気配より獣の気配のほうが強い場所に行けました。
夜中に足音が頻繁にあって、何度も起きた…

2日目は朝日を浴びながらバイクを走らせます。
向島の観光は、やっぱり特になし。
そう言えば14年前に来た時も、生口島、因島、向島辺りの記憶が無いや。
でも向島は釣り人が非常に多く、しまなみは釣り人の聖地でもあるんだなと実感。

尾道大橋を渡ってしまなみ海道は終わり。
時間があるので尾道観光することにしました。
尾道は千光寺が有名なようなので、そこをメインにして周辺を観光することにしました。
尾道は坂の町で、千光寺の海側は寺社と宅地と店舗がごちゃごちゃに混ざる独特の雰囲気。
猫がいたり、小さな公園あったり、著名人の旧居があったり…
上り下りするのは大変ですが、どこも景色が良いので歩き回るのは面白いです。
視野が狭くなるからこそ、歩くほど発見があって楽しい。

尾道の歴史資料館にも行こうとしましたが、閉館中!
また、尾道ラーメン店が11時まで開店せず、その時は10時。
朝早くから開いている飯屋で一足お先の昼食を食べました。

尾道観光が終わってもまだ時間があり、福山観光も考えましたが、今回の旅は「しまなみ海道」の思い出に集中したかったのでパス。
福山も観光してしまうと、今回の思い出の訳が分からなくなってしまう。

徳島への帰りは瀬戸大橋経由で。
観光客は非常に多く、コロナに気をつけて人との接触は極力避けました。

というわけでこれにてしまなみ海道1泊2日のバイクツーリングは終わり。
14年ぶりにやってきて思うことは、感性もまた過ぎ行くものである
あの時と同じ場所にやってきたからって、あの時の感じ方がそのまま復活するわけではない。
あの時、尾道からバスで帰ってきて来島海峡大橋で見た夕陽、涙が出たあの日の自分はそのまま今に復活するわけではない。
過ぎ去っていくのは寂しいことだけど、今感じていることもまた、10年20年後には感じられなくなっているかもしれない。
過去との違いに喪失感を感じるだけでなく、今この瞬間の気持ちは二度と手に入らないものだとして、想い出の宝箱に大切に閉まっておきたい。
過去も自分の人生で、今も自分の人生で、未来も自分の人生である。

11月下旬、美しい空と島々と海峡のしまなみ海道、淡い光を受けながら滑るようにバイクを走らせた。

旅行

Posted by YU